ヒナゲシの花、今日も健康に実況中 (ページ18)

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配信を終えてから夕飯も食べてないけど歯磨きして
肌ケア少しやって、完全に寝る準備して、席に座ったけど

自分から声をかけたというのに、ソワソワと手元が落ち着かずにいた。

あっちから電話をかけてくれると言うし
時計を見ながら、頃合いかなー？と思っていれば

２、３分遅刻してパソコンとスマホの画面で通話マークが浮び上がる。

仕事モードというか、電話対応も業務に組まれてる日常の影響か

手に取って電話する形の方がしっくり来るのもあり
スマホを手にして、通話マークを横へスライドして、耳にあてがう。

「おっつ〜」

間伸びしたような緩やかな声がすごく耳触りが良くて安心する。

撮影の外の「らっだぁ」の声であって「らっだぁ」としてじゃない声が
自分にのみ向けられた、この人の人柄を表したような声がすごく好きだ。

コメント欄では「どぶぼ」だなんだと、

あくまでもリスナーとの愛あるやり取りが多いけれど

たぶん、それなりの「話したい事」があることを
察した上での声色がとても優しくて…そう言えば歳上だったな、なんて。

『まずは遅くにごめんなぁ？サクッと、済ませられるといいな…。

…ッ、とは…思って、ます…。うっす、(低)』

「返事にっぶｗ」

「まぁ、俺は時間全然あるし…Aの好きにしていいけど。」

「でぇ？…どーした？」

ケタケタ笑いながら言うその声が、
自分の都合が良い様に捉えてるのかもしれないけれど

真剣に…聞く姿勢を整えたような感じがして、こっちの背筋も伸びた。

『あらかた皆話してて…最後になってもうたんやけどね。』

「うん」

『その、性別はっきりさせていこうかな、て…、』

「それは“ヒナゲシ”の性別でいいんだよね？」

『ん…、』

「なんか気にしてて皆に聞いてるんだ？」

『そら…こう…、』

『双方にそういうのを気にする人も一定数か居るわけじゃん。
　皆…リスナー大切にする人で、それを無下にしたい人達じゃないじゃん。』

「うん。」

『活動を大切にしてて、真剣で…皆そういう人だからさ。』

『自分が男だったら…活動も楽だったし変なコンプレックスもなかったんだけど

…それでも、どうしても自分は女だったわけで、
だけどやりたいこと増えてくうちに、性別不詳が邪魔になってきたんですよ。』

「うん。」

一定の声色で、相槌のみのらっだぁに
ひとまず、私の言いたい概要の全部を伝えた。

おおまかな枠組だけだが、メインの話題はこれで伝わっただろう。

最後の一人。

この手汗も、今日で最後…の、予定。