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「……殺さない、けど見逃してくれないと、えっと……。こうするから！」
やり慣れていないのが全面的にわかる弱々しい威嚇。脅しも、こうするから！ と言ってナイフを更に突きつけるだけで、なんの意味もなかった。男はきょとん、としてAを見つめ、くふふ、と堪えるような笑いを漏らす。
Aは何がおかしいの、とさらに目をぐるぐる回していると、その一瞬緩んだ腕を見逃さなかった彼は、音速でAの手からナイフを奪い返し、形勢逆転へと持ち込んだ。あれっ、とAが情けない声を漏らすと同時に、目の前の男はくすくすわらう。そして器用に片手でナイフを回しながら、指をさして笑うのだ。
「よっ、よわ〜〜〜！！！ 『見逃してくれないと〜』とかイキっとったくせに一瞬でナイフ奪われるん、弱すぎるやろ！！！ ッカーー！！ やっぱ堪んねえなあ」
「かっ、かえしてその鍵！」
「え〜なんで」
「私はお家に帰りたいの！」
息を荒らげて対抗したAを見て彼はニヤつきながら、うーんと弄ぶように顎に手を当てて目を伏せる。Aは眉を下げて、自信なさげに両手を上げた。今の自分は無力だということを男に伝えるつもりだったが、ナイフを持っていてもいなくてもこの男にとってAは最初から無力そのものだったので、滑稽な姿を見せびらかしているだけになっている。
男は暫く黙りきった後、アッと声を上げて目を細めた。
「そういや起きたら連れてく話やったわ。忘れとった」
「……え、」
「俺はゾム。マ、偽名やけどな。よろしく」
「(偽名って言ったら意味ないんじゃ……)」
Aは無論困惑したけれど、渋々差し伸べられた手を握り返した。ゾムは嬉しそうに笑ってブンブン片手を振ると、じゃあ、と素早く手を離し、容赦なく鍵を開けた。開けていいのかよ、と思わず毒を吐きかけたが、Aは首を振って彼の背中を追う。すると再び唐突にアッと声を上げたゾムに、Aは肩を跳ねさせた。急に大きな声を出されると心臓に悪い。
ゾムは振り返って胸ポケットから手錠を取り出すと、慣れた手つきでAの腕に掛けた。Aは急に犯罪者同様の風貌にさせられて宇宙猫になった。
そんなAの気なんて露知らず、彼はAの腕を掴み連行する。
「てか、名前なんやっけお前」
「……Aです、
「ふーん、Aね」
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にのやも(プロフ) - モモモさん» きゃあ！ そんなこと言われたら沢山書きたくなっちゃいます！🥹 ご期待に添えるようなるべく余談回挟めるよう頑張ります！🙇🏻♀️" (4月5日 8時) (
レス) id: 4e49335954 (このIDを非表示/違反報告)
モモモ(プロフ) - 展開が一つ一つ丁寧で面白くてもう全部読みきっちゃいました！3章以内で終わるのか...もっと書いてもいいんですよ🥹（わがまま） (4月4日 21時) (レス) id: 90bb9ca7b2 (このIDを非表示/違反報告)
にのやも(プロフ) - 梓月さん» コメント有難う御座います！🙇🏻♀️" 是非命狙われてる夢主ちゃんを守ってあげてください……！👊🏻✨ (4月1日 17時) (レス) id: 4e49335954 (このIDを非表示/違反報告)
梓月(プロフ) - ぐいぐい来られると困っちゃうのあまりにも可愛い…守護らねば (3月31日 21時) (レス) @page42 id: c21b6e797e (このIDを非表示/違反報告)
にのやも(プロフ) - 滅華狂さん» あの場面はとっても慎重に書いたので、そう言って貰えて作者冥利に尽きます！😭✨ これからも更新頑張ります！🙇🏻♀️" (3月27日 11時) (レス) id: 4e49335954 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にのやも | 作成日時：2024年3月24日 17時
