それでもオレは無能力【wrwrd】 (ページ11)

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手合わせはガチでも良いよねページ11

you side

お腹空いたなぁ。なんか食べたい。

そんな戯言を思考の隅に置く。
なんせ今は訓練場の端のコート。

しかも隊長であるシャオロンが相手。
一筋縄ではいかないだろう。

sya「ほれ、その辺の武器サッサと選べ」

「ん...じゃあ、これでいい」

そう言って手頃なナイフを手に取る。

チラリとシャオロンの方を見ると、にたりと笑っていた。
勝機があったのだろうな。

それにしても、訓練は久しぶりだ。
腕がなまっていそうで心配。

sya「んじゃあ、始めんで。よーい...」

startと言うのを待っていると全くこない。
その数秒後には誰か後ろに居る。

ｶﾞｷｨﾝｯと金属が擦れ合う音がする。
やはり、不意打ちを付いてきたか。

否、startは言ったのだろう。
小さな声で。

「ったく...理不尽だねぇ」

sya「あぁ？！startはちゃんと言った...ぞｯ！！」ﾌﾞﾝｯ

「ふっ...！」ｻｯ

sya「チッ...無能のくせに」

シャオロンはシャベル片手に木の上に登った。
多分こちらから仕掛けてくるのを待っているのだろう。

倒す為に登ってきたところを殺る...そういう算段だろう。

それなら簡単だ。
......それにのるまでだ。

俺は素早くシャオロンに向けて木を登り出す。
シャオロンは大きくシャベルを振りかぶった。

それをシャオロンの足場の木の枝を使ってかわす。
だが、少し頬を掠り、血がタラリと落ちる。
その次にナイフで木の枝を差す。
勿論何本も使って。

そうすると、枝はズルリと曲がった。

sya「ｯ？！」

「落ちろｯｯ！！」

しまいめには腹を蹴って落としてやった。
シャオロンが落ちた場所には砂が舞っていた。