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Aはあの日、らっだぁと行ったバーに座っていた。脚を組んで、憂いを含んだ視線で店を眺めた。その顔はあっと言うほど扇情的だった。誰だってその眼(まなこ)に、自分を写してほしいと思わせるような仕草だった。
「…」
そこにぺいんとは座っていた。汗みずくになって、ちょっと前髪を直したりした。
なんせ隣に座っている女性がAと気づかなかったので、ぺいんとは素通りしようとしたところをAに話しかけられて、
「ッア………っ！……ゴ……す、失礼しました…スイマセン通して下さい」
とまるっきり陰キャの反応をしてしまったからだ。
前にらっだぁのツテで会ったっきりだったけど、でもこんなに雰囲気がガラッと変わるなんてつゆほどにも考えていなかったので。暖色の光に照らされて、しゅっとした身体のラインに深いオレンジのカシュクールワンピースがアンマッチだけど、どこかあどけなさがあった。
ぺいんとは正直緊張していた。
かわいい女の子がバーに腰かけている、しかも自分の隣に、しかもこんなに雰囲気のある感じで！もしかして、もしかするのかもしれない。そんなバカな考えが、頭の中をぐるぐると絶えずかき混ぜ続けていた。
カウンタの上にはうぐいす色のカクテルが光っていたけど、一滴も飲めなかった。
「…ぺいんとさん」
「あ。ハ、はい。ハイ」
「お酒、苦手だったのね。私知らなくて…ごめんなさい」
「エ、あイヤそんな事…ないっスよ、全然飲む、全然…」
綺麗な爪のついた女の手が近づいてきて、ぺいんとはひどく狼狽した。狼狽したので、考える間もなくカクテルを一気に飲み干してしまった。さらりと喉を流れるあのカクテルは、花の蜜のような香りがした。そのくせ苦く、スウっと清涼で、しかし底の知れないじっとりしたアルコールが脳をボヤかして、ちょうど香水のような具合だった。
「カクテルのお名前、知っていらした？」
「あ、…知らないです」
「グリーン・アラスカ。カクテル言葉はね…偽りのない心」
Aに左手をぎゅっと握られ、ぺいんとは思わず唇を噛んだ。
女の柔らかい手が、手首までツルツル伸びてくる。彼女から酒の匂いはしなかった。それで余計に、ぺいんとは、シラフでこれなら、自分に気があるんだろうと思った。自分自身は酒の入ったバカ頭なのに、ワンピースのＶラインから見える鎖骨に釘付けになるばかりだったのだ。
「ねえ、ぺいんとさん…お願いがあります。してもいい？」
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飼い主の姉(プロフ) - pnさんが夢主に狼狽する姿や描写が可愛くて好きです〜…！！🫶 無理しない程度に更新頑張って下さい！ 応援しております (12月5日 14時) (
レス) @page12 id: 5ee2b54502 (このIDを非表示/違反報告)
_maimai0101_(プロフ) - ｽｷﾃﾞｽ……夢主ちゃん頑張って〜〜〜〜！！！！生姜焼き太郎さんの世界観好きすぎます……！！！続き楽しみです🫶更新待ってます〜！！！！！ (10月16日 17時) (レス) @page8 id: cc01457125 (このIDを非表示/違反報告)
田中(プロフ) - 読みやすくて、とても面白かったです。続きも楽しみです🫶🏻🫶🏻 (10月16日 13時) (レス) @page8 id: d6054e066b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：生姜焼き太郎 | 作成日時：2023年10月15日 11時
