【d!】不良を買い取りました！

36話 ページ36

「…すみません、取り乱しました」
「金は、貰えませんので…帰ります」

os「夜遅いよ、送ってくわ」
「大丈夫です、次の客が待ってます」

os「…そう。気をつけてね」
os「…」


結局何も話してくれなかったA
金はいらん、と俺の胸板を押して
逃げるように帰って行った。
…抱いた方がよかったかな


細い足、細い腕。やつれた表情
世の中には俺より変態がいるらしく
あの姿のAに興奮を覚えるやつが
一定数いるらしい

俺も抱くから人のことは言えへんが…



os「A！」

「…」

os「はい。やっぱやる」
「い、いらない」
os「受け取って。あとはいシフォンケーキ！」
「いらん、あんたがたべos「病気かなんかは知らんが」

os「お前は元気でおらんとアカンちゃうか」
os「その人やって、死んだお前なんぞ待っとらん」

「……」


ちるの元気になって。の
セリフが脳裏に浮かんだ。

気づけば、彼からシフォンケーキを貰って
次の客のところで食っていた。

うまい
…

なんで、みんな優しいんやろ……
意味わからん

不良になった意味ないやん…


───
未明

コネシマの家


「…」

最後の客としたあと、2時間の仮眠を終え
彼の家に到着。案外遠かった

電子鍵という最先端の玄関を
開けながら暗い室内に声をかけた

まるまる一軒家を一人暮らししてるとか
親もすごいな

彼が起きない間に、お望み通りと
朝飯や学校に行く準備を済ませておく

リビングをみれば、至る所に
ゴミの山。仕事外ではあるが、
気になって仕方ないので、ゴミ袋を
急いで買ってきて全て捨てた


何だかんだしてもう7:00前
彼を起こさなきゃ…

「…」

───
寝室

「……コネシマ。起きろ」

寝相がわるい彼を揺さぶったが
朝が苦手なのは本当らしい

起きない

「起きて、コネシマ！」

kn「んん……朝いやや…」

「朝飯、出来てるから」
kn「……ん、A…？」


kn「…」

メイドかと思えば、くまの酷いAがいた
そして鼻に充満するいい匂い。
Aの小さな手につれられるまま

顔を洗って、制服に着替えたあと
ダイニングテーブルに座った

…

色とりどりで綺麗な朝飯
甘いのはなくて、…しかも鮭

「貰った予算内だよ」
「これ食べたら、学校行ってね」

kn「…お前食わんの？」

「ここ、学校遠い」

kn「そりゃバイク通勤が認められる距離やしな」
kn「…歩いていくん？」

「それしかないだろ」

37話→←35話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す